錠剤、カプセルと食品安全


2023/10/2

錠剤、カプセルと食品安全

健康食品や機能性表示食品には錠剤やカプセルの形になったものと、ビスケットのような形やペットボトルに入った清涼飲料など一般的な加工食品の形のものがあります。

錠剤やカプセルの健康食品が医薬品と混同される懸念が残っているのに比べ、誰が見ても食品にしか見えない形の健康食品を“明らか食品”と呼びます。

例えば、コレステロールを下げる機能がある大豆たんぱくを濃厚に含んだお豆腐だったら、それは誰がみても食品だとわかり医薬品と混同することはないので、これは“明らか食品”と呼ばれます。
 
錠剤やカプセルと“明らか食品”では、機能性のアピールを規制する法律が異なります。このことはまた別の機会に詳しくお話しします。

今回お話しておきたいのは、健康食品の形状によって安全性に関する開発課題が異なってくるということです。

健康食品を開発する時、その形状を錠剤やカプセルにするか、それとも一般的な加工食品の形態にするかはマーケティング上、重要な要素になります。

錠剤やカプセルの形状にすることのメリットは、持ち運びしやすい、手軽に摂取できる、保存しやすいなどが使いやすさ、便利さという商品価値が付与されます。

また、味やにおいがキツイ成分が濃縮されている場合も、それを感じないで摂取できるように錠剤やカプセルの形態をとることが望ましいことがあります。

実は、そこに見落とされがちな食品安全上の課題があります。

私達は通常、食品を摂取する時に、その食品の香りや味、色、形など五感によってその食品に異常がないかどうかを感知しています。

食品の安全性とは製造工程だけで守られるのではなく、それが摂取されようとする時に、その摂取者の感知によっても安全かどうかの評価が行われているのです。

食べ物が古くなっていたり、腐敗していたら、食べる前に臭いでわかります。
何か異物が入っていたら、目で見てそれを見つけることができたり、口の中にいれたときにそれに気づいて吐き出すということもできます。

錠剤やカプセルの形態になると、そういう五感による品質チェックができなくなるのです。だから、それを作ったメーカーを信じて摂取するしかない。

ですから、錠剤やカプセルの健康食品の製造においては、一般的な加工食品よりも厳しい品質管理が求められます。
それはそのまま、コストにもかかってきます。

商品開発の早い段階から、そのことは知っておいた方がいいでしょう。

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