開発と表示と安全は一体的に考えて


2023/12/6

開発と表示と安全は一体的に考えて

食品開発・食品表示・食品安全をワンストップでサポートします。
とホームページにも書かせていただいているのですが、商品開発と表示、安全管理は企画段階から連結させて考えて欲しいと思っています。

どちら一つへの配慮が欠けていたために、後になって商品開発をやり直し、マーケティング戦略の立案をやり直し、という事態を結構見てまいりました。
転ばぬ先の杖として、注意喚起をさせていただきたいと思います。

開発とは、マーケティング調査やアイデア発想から始まり商品企画、研究開発、製品設計、生産工程の構築などの工程で成り立っています。

表示というのは、商品パッケージへの表示と広告宣伝の表示、つまり販売とプロモーションに深くかかわってきます。この商品表示や広告表現が、消費者保護や公正な企業競争を守る観点から、いくつかの表示によって規制がなされています。具体的には、食品表示法、健康増進法、薬機法、景品表示法、計量法などです。

商品開発の企画段階で、どのような商品機能や価値や用途を生み出そうかと考えます。
その企画段階で開発目的が薬機法に触れている場合があります。商品機能・商品価値・商品の用途というのは、商品パッケージや説明書、広告宣伝によって伝えていかなければなりません。
食品の場合は、健康増進法において食品の保健機能を誇大に表示・表現してはいけないことになっていますし、景品表示法では不実証広告規制といって実証されていないことを広告でアピールしてはいけないことになっています。
とすると、どこからが誇大で、どこまでなら誇大でないのか? どういう事実があれば実証されたといえるのか? その判断能力が求められてきます。

また、安全の確保について。食品の安全はHACCPなど製造工程における安全管理が中心になりなすが、実は商品企画や製品設計の段階で考慮しなければならないことがあります。
特に健康食品のように一般的な料理として食生活に登場するものではない素材を原料とする場合は、その素材そのものが食べても大丈夫なものかどうかを調べ、評価していく工程が必要となります。

また、商品パッケージに記載される表示や広告表現によって二次的に誘引されてしまう健康被害というものがあります。
例えば、高血圧というのはサイレントディジーズ、つまり自覚症状のないまま深刻な事態に悪化してしまう病気といわれています。だからこそ、日ごろからのモニタリングと医師による適切な治療が必要。これがもし、高血圧に効くという宣伝をされた健康食品があって、高血圧による致命的な疾患リスクを持っている人が適切な診断や治療を行う機会を失ってしまったら、大変なことになりうるわけです。
ですから、体にいいということの訴求表現は、単に法規制に触れないようにということだけ考えるのではなく、その表現が消費者にどのような行動変容をもたらし、そこにどのような危険が潜んでいるか?ということも考察する必要があります。これは、マーケティングの手法に非常に強く関係してきますし、万が一のことがあったら、その責任は表示を行っている製造者、販売者が追わなければならないということもあり得るでしょう。

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