有限会社開発屋でぃきたん

食品開発・食品表示・食品安全
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その願いを沖縄風に“でぃきたん”と表現しています。

2020/4/28

消毒液の勘違い

〇消毒液を空気中にスプレーするのは間違った使い方。
 あるニュース番組で取材を受けていた飲食店のオーナーが、新型コロナウイルスの感染防止のためにと、アルコール消毒液を空気中にスプレーしているのを見ました。これは間違った使い方で、噴霧されたアルコールの霧は空気中に拡散してすぐに気化してしまうでしょう。衛生教育がされていない食品工場でも、ときどきこういう光景を見ることがあります。
 消毒液は個体(手指や容器やテーブルなど)の表面に付着している微生物やウイルスに物理的に接触して初めて消毒効果が発揮されます。魔法やおまじないではありません。

 もっとも消毒効果の高いのは沸かしたばかりの熱湯です。日常生活でも、熱湯をかけることのできる物に対しては、熱湯消毒をすると良いと思います。しかし、やけどの恐れもあるし、いつでもどこでも熱湯が使えるわけではありませんから、比較的安全で安価な殺菌剤であるアルコールや次亜塩素酸が、食品工場ではよく使われます。これらは新型コロナウイルスの感染防止のために日常生活でもよく使われるようになっていますが、このブログを書いている現在は、家庭用のアルコール消毒液が不足し次亜塩素酸の使用が広がりつつあります。
 アルコール消毒液も、次亜塩素酸も使用方法と使用上の注意が容器や説明書に書かれています。それをよく読まずに誤った使い方をすると効果が薄れるだけでなく、危険でもあります。具体的な使用方法や使用上の注意については製品の説明書を読まれてください。
 ここではつい見落としがちな注意点や勘違いにしぼって指摘しておきたいと思います。

〇水で薄まると弱くなる。消毒したい物の水気はとってから接触させること。
 アルコール消毒液は効果の高い濃度に調整されています。高濃度のアルコールが微生物やウイルスのタンパク質を変性させることで消毒効果を発揮するので、水で薄まると効果が弱くなります。洗った後で濡れている手やまな板などは、乾いた清潔な布やペーパータオルで水気を吸い取ってからアルコールをつけましょう。次亜塩素酸については、ハイターなど従来から家庭にある次亜塩素酸ナトリウムを自分で希釈して使う場合と、最近開発された刺激の弱く濃度調整された微酸性次亜塩素酸水(微酸性電解水)があります。いずれにしても、濡れたものに使うと表面で希釈されて効果が弱まると考えてよいです。

〇消毒液をつけたところが、いつまでもきれいであるわけではない。
 アルコールで手指やドアノブを拭いた時には、その時までに付いていた菌やウイルスは消毒されます。しかし、アルコールはすぐに揮発してなくなります。その後に、そこに消毒されていない別のものが触れると、その時はまた菌やウイルスが付着する可能性があります。次亜塩素酸も、それで物を拭いたとしても乾いてしまえば効果がなくなります。つまり、一度消毒液をつけたら、ずっと大丈夫ということではないということは知っておきましょう。


〇汚れは落としてから消毒液を使う。
 汚れの成分が菌やウイルスを消毒液から守るバリアになります。特に次亜塩素酸は、汚れがあると、菌やウイルスと同じように汚れにアタックし、汚れを分解したらその分だけ消毒力も消費されてしまい、結果として菌やウイルスに対する消毒効果が弱まってしまいます。


以上、まとめると
〇消毒液を空気中にスプレーするのは間違い。効果なし。
〇水で薄まると弱くなる。消毒したい物の水気はとってから接触させること。
〇消毒液をつけた部分がいつまでもきれいであるわけではない。
〇汚れは落としてから消毒液を使う。
こういうことは、製品の説明書きにも書いてないことが多いので、注意してください。

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有限会社開発屋でぃきたん
代表取締役 照屋隆司

農学修士(農芸化学専攻)
技術経営修士(MOT専門職)
NR・サプリメントアドバイザー
産業カウンセラー

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