2022/4/19
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その「無添加」表示は大丈夫ですか? |
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食品添加物が添加されていなことを主張するいわゆる「無添加」の表示。
確かに「無添加」が消費者を惹きつける力は強いものがあると思います。 一方で、やみくもに「無添加」がアピールされることで、 添加物に対する不安や不審が過度にあおられてしまっているというマイナス面も指摘されています。 従来より「無添加」という表示は注意が必要だとされてきました。 ただ「無添加」と言うだけでは、様々な添加物のうちどれが無添加なのかがわかないので良くない。 したがって、「着色料無添加」とか「保存料は使用していません」など、 どの添加物についてかを明記するように指導がされています。 いや、どの添加物も使っていないからただ「無添加」あるいは、 「添加物は一切使用しておりません」と表示しているのだという場合は、 その食品の原材料にも添加物が使用されていないかどうかを確認する必要があります。 例えば食用油を原材料として使用している場合、 その食用油に酸化防止剤としてビタミンEが添加されていることはよくあることです。 厄介なのは、ろ過材として添加され使用後に除かれているものなどを「加工助材」と言いますが、 これも添加物です。加工助材の場合は、表示が省略されている場合もあります。 もし、使用している原材料が加工助材を使用して製造されたものであった場合は 「添加物は一切使用していません」という表示が適切といえるかどうかは、かなり難しくなってきます。 また、同種の加工食品でその添加物を使わないのが普通であるのに、 ことさらその添加物を使用していないことを強調することも不適切な表示と判断されます。 例えば、キャンディーやガムに香料が使用されるのは一般的なことなので、 もし香料を使用しないキャンディーを販売する場合には「香料不使用」と表示しても、 その通りの特徴があるのですから問題にはなりません。 しかし、もともと保存料を使用しないお豆腐に「保存料不使用」と強調したら、 それは消費者を誤認させる不適切な表示と判断されるでしょう。 こうした「無添加」表示の仕方には、どのような場合はよく、どのような場合は良くないのかについて、 消費者庁が公表している「食品表示基準Q&A」で解説されていました。 しかし、そのQ&Aの解説にあいまいなところがあったということで、 不適切表示を判断するための「食品添加物の不使用表示に関するガイドライン」が 令和4年3月30日に消費者庁から発表されました。 ガイドラインでは、不適切な不使用表示に該当するケースとして9種類の類型が設けられています。 それは広範囲にわたります。中には、どこで線引きをしたらよいのか悩む難解な類型もあります。 このガイドラインはまだできたばかりで、 これから2年をかけて見直しもしながら普及させていくものとして運用されるようですが、 ガイドラインの作成に関わった検討委員からは、 中小企業にわかりやすく説明する取り組みの必要性が指摘されています。 いずれにせよ、「無添加」を強調したいあまりに、 現状にそぐわない、消費者を誤認させる無添加・不使用の強調は行わないように注意しましょう。 食品表示相談 なぜ食品表示が大切なのか? 支援事例 |
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