2023/7/15
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「カラダにいい」ってどういうこと? |
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今回は、日本臨床栄養協会が認定するNR・サプリメントアドバイザーという立場で「カラダにいい」ということについて述べます。NRとはNutrition Representitve 栄養情報担当者という意味で、もともとは国立健康栄養研究所が設置した資格の名称でした。それが現在は日本臨床栄養協会のサプリメントアドバイザーと統合されて、NR・サプリメントアドバイザーという名称の資格になっています。
健康維持に役立つ食品を開発したい、あるいは今ある商品の健康にいいところを見つけてアピールしたい。そういうご相談をよくお受けします。 健康食品としてすぐに連想するのは、血圧が下がるとか、血糖値が下がるという機能をアピールできるもの。テレビのCMやコンビニの清涼飲料のコーナーなどでそういう商品をよく見かけるようになりました。 ですが、健康維持に役立つ商品やサービスを開発をしていこうと考えるなら、一度立ち止まって、カラダにいいってどういうことかを考えておく必要があると思います。 別の言い方をすれば、一人一人の生活にとって、健康維持のためにどういう取り組みが必要とされているのか? ということを体系的に踏まえた上で健康食品や健康サービスの検討を始めていって欲しいと思います。 予防医学のことばに一次予防、二次予防、三次予防という言葉があります。 一次予防とは病気になるリスクを減らして予防につなげること。 二次予防とは、早期発見、早期治療によって病気を重症化させずに、早めに健康を回復させること。 三次予防とは病気の治療後に、再発させずに健康的な生活を送れるようにすることです。 最もマーケットが大きいのは、言うまでもなく一次予防でしょう。未病ケアとも呼ばれます。 健康食品の出番は一次予防か三次予防と考えられますが、三次予防というのはデリケートな分野であり、リスクが高く、どちらかと言えば医療が介入していくことが多いので、三次予防のマーケットに参入するのはハードルが高いでしょう。高い専門性と慎重な安全管理が必要になってきます。 やはり健康食品が役立つ分野というのは一次予防が中心となるでしょう。 では一次予防とはどういう要素で構成されるか? それは、食事、運動、休養(睡眠も含む)です。 つまり、健康な人が病気にならないためには、食事、運動、休養と睡眠を適切な状態にしようと努めるし、社会もそのように動くわけです。 もう少し具体的に言うと、 食事においてはバランス。適切なカロリー。摂り過ぎても、少な過ぎてもよくない。塩分を控えめに。十分なミネラルやビタミン、食物繊維をとる。脂質の摂取もバランスが重要。 そして最近特に言われているのがタンパク質不足による筋力の衰え。だからプロテイン市場がとても伸びているわけです。 運動であれば適度な運動。脂肪を燃やす有酸素運動。血圧を下げるためのウォーキング、加齢に伴う筋肉の衰えを防ぐための筋トレ。習慣的な運動はうつ病の予防にもなると言われています。 また、うつ病の予防と認知症にリスクを下げるための良質な睡眠。 しかし、なかなかこれらのことを理想的に行うというのは難しいのが現代人で、多くの人が栄養の偏り、運動不足、休めない、睡眠不足、寝つきが悪い、眠りが浅い等といった問題を抱えています。 健康食品の開発を考えるときは、こうした問題の解決のために生活者はどのような対策を講じるのか?社会はどのような支援やサポートを提供しているのか?こうした一連の対策の中で、健康食品はどのような存在になり得るのか?という文脈で考えていくことが大切ではないかと思います。 栄養、運動、休養と睡眠、これらのどれかが不足している生活者に対して、不足しているものを補うという関わり方もありますが、不足していることを生活者自らが行動変容をおこして、つまり生活習慣を改めて不足がないようにしていく、そういう努力を応援、促進するという関わり方も健康食品にはあるのではないかと思います。 ※このブログの内容は ポッドキャスト「沖縄食品開発の5分間マメ知識 ここ要チェックです!」 でも聴くことができます。 支援事例はこちら |
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