有限会社開発屋でぃきたん

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2023/7/25

食品の種類で表示のルールが異なる(その2 公正競争規約)

先回の「食品の種類で表示のルールが異なる⁉」(2023.7.18)では食品表示基準において40を超えるカテゴリーで個別の表示基準が設けられていることを述べました。食品表示基準とは食品表示法の下に定められた食品表示の具体的なルールです。

そのことに加えてもう一つ、食品の種類に応じて個別のルールを定めている表示基準があります。それは、公正競争規約です。

公正競争規約というのは消費者庁所管の法律である不当景品類及び不当表示防止法(略して景品表示法、景表法、不当表示防止法などと言われる)に基づいて、消費者庁や公正取引委員会の監督指導の下で定められる業界の自主基準です。

景品類に関する公正競争規約と、表示に関する公正競争規約があります。
食品表示のルールについて規定しているのは「表示に関する公正競争規約」です。

では、食品表示法に基づく食品表示基準と、表示に関する公正競争規約は何が違うのかについて説明します。

食品表示基準は業務用及び小売販売される食品の容器包装に記載される表示が対象になります。
公正競争規約は容器包装の表示に加え、紙媒体や電波、デジタルコンテンツまで含む広告表現まで対象としたルールです。

食品表示基準は業務用及び小売される生鮮食品と容器に包装されて販売される加工食品すべてをに適用される基準(飲食店やテイクアウトを除く。)で、さらにその中に、食品の種類によって個別の表示基準が設けられるという構造になっています。
一方、公正競争規約は、一部の食品について業界が自主基準として定めたもので、2023年7月現在で36カテゴリーの食品と7カテゴリーのアルコール飲料の表示に関する公正競争規約が定められています。

例をあげると、「もろみ酢の表示に関する公正競争規約」「果実飲料等の表示に関する公正競争規約」「みその表示に関する公正競争規約」「観光土産品の表示に関する公正競争規約」「泡盛の表示に関する公正競争規約」「特定保健用食品の表示に関する公正競争規約」など。

表示に関する公正競争規約は、食品以外に、化粧品、ペットフード、旅行業、不動産など幅広いジャンルの業界の表示基準として定められています。
と同時に、公正競争規約が特に定められていない製品やサービスのジャンルも当然たくさんあるわけです。

なぜ、一部のカテゴリーの製品やサービスに公正競争規約が定められているかというと、この規約は消費者保護と公正な企業競争を守る目的で、消費者に誤解を与えるような表示を取り締まるのが目的ですが、
消費者に誤解を与えるのはどのような表示かということを法律の条文や基準で明確に線引きするのは難しいところがあって、
それでそれぞれの業界が、消費者の常識的な通念を想定して、誤解を与えないためにはこういう表示をしなければならないとか、こういう表示をしてはいけないなどを具体的に定めています。
その内容の中に食品表示の基準も含まれているわけです。
もちろん、食品表示基準と整合性が取られ、かつ、食品表示基準よりも詳細なルールが定められています。

もう一つ説明を加えますと、表示に関する公正競争規約は業界団体の自主基準です。
公正競争規約を制定し運用し遵守する業界団体を公正取引協議会と呼びます。
たとえば「もろみ酢の表示に関する公正競争規約」は、「もろみ酢公正取引協議会」という業界団体の自主基準として、その団体の会員が守る基準ということです。
この団体に加盟している企業はその証しとして「公正マーク」を表示することができます。

では、公正取引協議会に入会していない企業であれば、この自主基準を守らなくてもいいのかといえば、事実上そうではありません。公正競争規約を守らせるための指導は、公正取機協議会が会員に対して行いますが、この団体が未入会の企業にまでそれを求める権利はありません。その代わり、未入会の企業の商品に対しては消費者庁が直接取り締まることになります。その際の消費者庁側の判断基準として公正競争規約が参考になっているというのが実情です。したがって、公正競争規約は業界全体のスタンダードになるという理解でよろしいと思います。

以上、総括しますと、
食品表示を作成する際には、
①自社の商品がどの種類に該当するかを確認する。
②その種類の食品が食品表示基準において個別の表示基準が設けられているかどうかをを確認する。
③自社の商品の種類について公正競争規約が定められていないかを確認する。

これらのことををまず最初に確認する必要があります。
大変な感じがしますが、前にも述べたように会社一社が販売する食品の種類は限られていますから、最初にそれを確認しておけばその後は、自社の商品に適用される基準に従って淡々と表示作成を進めていきましょう。

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有限会社開発屋でぃきたん
代表取締役 照屋隆司

農学修士(農芸化学専攻)
技術経営修士(MOT専門職)
NR・サプリメントアドバイザー
産業カウンセラー

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