有限会社開発屋でぃきたん

食品開発・食品表示・食品安全
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その願いを沖縄風に“でぃきたん”と表現しています。

2023/7/31

健康食品、研究開発の初動(その1 文献調査)

健康食品を新たに開発したい。そのための研究開発を始めたい。どのように進めたらいいか?

そういうご相談をよく受けます。
地域の特産物的な資源について、健康に役立つ機能を見つけ出し、付加価値の高い健康食品を開発しようという目論見はよくあることです。

すでに何らかの保健機能について民間伝承として伝えられていたり、あるいはそれを食べた人の体験談がクチコミ的に広がっていたりしていて、こうした情報を基に健康食品の開発が発案されるケースが多いです。

さてその場合、研究開発は何から手を付けていけばよいでしょうか?
臨床試験を行えばよいでしょうか?

最初に行うべきことは、文献調査です。
文献調査というと図書館へ行って書物を読み漁るイメージを持たれるかもしれませんが、ここでいう文献調査とは主に医学、保健学、食品科学などの分野の学術雑誌に掲載される研究報告の論文を対象する調査のことです。

民間伝承や体験談として伝わっていることについて、世界のどこかでそれを確かめる科学的な研究が行われていないかどうかを調べます。

例えば、ある果物を食べると高血圧になりにくいという噂があったとします。
それは民間伝承の場合もあるし、薬膳料理の研究家が言っている場合もあるし、複数の人が体験したことの場合もあります。
だとすれば、国内の誰かが、あるいは海外の誰かがそれを確かめようとして臨床試験を行い、その結果を論文にまとめて学術雑誌に発表しているかもしれません。
すでに研究されて血圧を下げる機能が見出されているのに、それを知らずに同じ臨床試験を繰り返すのは、重複研究といって無駄な研究をしてしまうことになりかねません。
もちろん重複研究のすべてが無駄というわけではありませんが。

食品の保健機能に関する研究は、臨床試験ばかりではありません。ラットやマウスなどを用いた動物実験や、培養細胞を用いた試験、あるいは特定の酵素へ及ぼす影響を調べたり、試薬に対する化学反応を調べるという研究もあります。

文献調査を行うと、
臨床試験によってヒトに対する機能が明らかになっているのか?
あるいは動物実験までは行われているがヒトを対象とした研究はまだ行われていない、
とか、試験管での実験がなされたに過ぎない状況なのか?
など、研究がどこまで進展しているのかもわかります。
また、その機能がどのような成分によって表れているのか?
機能性に関与する成分についてどの程度明らかになっているのか?
あるいは、体内でどのような反応が起きてそういう機能が表れているのか?これを作用機序とかメカニズムと言いますが、作用機序がどこまで明らかになっているのか?

そういうことを、まずは文献調査で整理することが重要です。
そこから、自分たちが目指す商品を実現するためには何を、どのように、どこと連携して研究をしていけばいいのかという初期のアクションプログラムが導き出されてきます。

また、こうして既に研究が行われているということは、それに関連する技術や製品について他社によって特許を取られている可能性がありますので、それを調べるための手がかりにもなります。

ですから、文献調査を行わずに研究開発に着手すると大きなミスや無駄、遠回り、場合に寄っては特許侵害の危険性さえありますので注意が必要です。
 
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有限会社開発屋でぃきたん
代表取締役 照屋隆司

農学修士(農芸化学専攻)
技術経営修士(MOT専門職)
NR・サプリメントアドバイザー
産業カウンセラー

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