有限会社開発屋でぃきたん

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2023/8/12

健康食品、研究開発の初動(その2 特許調査)

健康食品の開発に着手する時に、最初に行うべき調査として取り扱う素材の機能性に関する学術論文の調査があることを前回述べました。

もう一つ行うべき調査として特許調査があります。
もちろん、健康食品に限らずあらゆる分野の製品開発で特許調査は必要です。
特許調査と関連してパテントマップというものがありますが、これは研究開発部門が他社の技術開発動向と自社の技術開発の状況を比較して研究開発の戦略立案に役立てるものです。
研究開発型の企業や機能性素材の開発に特化した企業の場合はパテントマップの作成は重要ですが、特定の健康素材を強みとして保有し、最終商品の開発に力をいれている沖縄の中小企業に多く見られる健康食品の開発においては、パテントマップを利用するケースはあまり多くありません。
もっと直接的に、これから開発しようとしている新製品が他社の特許権を侵害しないかを調べる目的の特許調査が主なケースになります。

健康食品の場合、取り扱おうとしている素材の機能性に関する特許の有無を調べるのが基本です。ただ、正確に言うと機能性そのものは特許の対象にはなりません。機能性を持った製品の製造方法に関する特許という形になることが多いです。

例えば仮にゴーヤーに血糖値を下げる機能を見出したとしても、その事実が特許になるわけでなく、ゴーヤーを原材料とした血糖値降下剤とか、血糖値上昇抑制剤といった加工品が特許になっています。発明の名称として「血糖値上昇抑制剤」とか「血糖値の上昇を抑制する食品及びその製造方法」というような形になることが多いです。
特許調査によってそういう特許を見つけたら、どのような製造方法が特許になっているかを請求項をよく読んで把握しましょう。自社が開発しようとする製品の製造技術が先行する特許の請求項の範囲に含まれるかどうかを確認するという作業があります。

機能性に関する特許調査のほかに、成分組成、形状の工夫、味や風味の改善、吸収率の改善などの特許が出願されていることがあります。これが、偶然にも自社が開発を進めている製品と同じ成分組成や原材料構成、加工方法などになっていたら、他社の特許の侵害になってしまうことあります。開発研究が進んでしまってからこういうことに気づくと、これまでの研究が無駄になってしまいますから、面倒と思っても開発研究に着手する前に、こういうことはよく調べておきましょう。

ところで、特許調査を他社の特許を侵害しないかどうかのためだけに行うのは、あまり面白くありません。もっと前向きに特許情報を利用することもできます。特許文献から製品開発のヒントを得る、という利用の仕方です。他社の特許を構成している加工方法の原理的なところを自社の製品開発に応用できる場合があります。

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有限会社開発屋でぃきたん
代表取締役 照屋隆司

農学修士(農芸化学専攻)
技術経営修士(MOT専門職)
NR・サプリメントアドバイザー
産業カウンセラー

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