有限会社開発屋でぃきたん

食品開発・食品表示・食品安全
これらが複雑に絡み合う問題の解決を
ワンストップでサポート。

お客様の目的成就を共に喜びあいたい。
「できる」ことの幅を広げるサポートをしたい。
その願いを沖縄風に“でぃきたん”と表現しています。

2023/8/23

食品アレルギー物質って悪者? そしてグルテンのこと

食品表示法によって、アレルギーを起こす人が一定以上いることがわかっている農水産物を特定原材料として指定し、その表示の方法について細かくルールが決められています。

「特定原材料」という言葉が難しく何を言っているのかわかりにくいので、「アレルゲン」とか「アレルギー物質」といった言葉が便宜上よくつかわれるようになっています。2023年8月の時点ではえび、かに、くるみ、小麦、そば、卵、乳、落花生の8品目の特定原材料が指定されています。

では、この8品目はアレルギー物質だから悪者なのでしょうか?特定原材料に準ずるものされる20品目まで範囲を広げるとゴマや大豆、リンゴなども含まれてきます。残念なことに、特定原材料がアレルギー物質と呼ばれるために、一部の消費者の中に体に悪いものだというイメージを持たれてしまうことがあるようです。

人間は、人間に限らず他の動物もそうですが、外敵から身を守るための免疫という機能を持っています。細菌など自分とは異なる生物が体内に侵入してきたときに、その生物を撃退する仕組みが免疫機構として備わっています。アレルギーというのは、その免疫機構が過剰に作動してしまって、体にさまざまな症状が現れてしまう現象のことを言います。
つまり免疫の過剰反応です。

では、体はどうやって自分以外の生物が体内に侵入してきたということを認識するかというと、その生き物の体を構成するタンパク質や遺伝子や細胞壁、それらが分解した切れ端などキャッチして外敵が侵入してきたぞ、と免疫反応を起こすわけです。

食べ物ももともとは人間とは異なる生き物であるわけですから、それがそのまま体内の血液中に入ってきたりしたら危険だし、当然免疫反応が起こるでしょう。
でも食べ物は口、胃、腸を通じて消化され、体内に吸収されても大丈夫なくらいにまで細かく分解されて血液の中に取り込まれていくので、普通に食事をとれば過剰な免疫反応はおきません。しかし実際は、完全に消化される前に、口の中や胃などの消化管の内壁の粘膜と接するので、そこで過剰な免疫反応を起こしてしまう人がいるわけです。

どの食材に対してそういうアレルギーを起こすから人によって違っていて、全く反応しない人も多いでしょう。私自身もこれを食べたらアレルギーを起こすという経験はありません。でも、数は少ないですけど、えびやかに、小麦、卵などでそういう過剰反応を起こしてしまう人がいるので、そういう人がちゃんと食品選択をできるように、これらの農水産物やその成分を原材料として使用している場合は、消費者にわかるように表示しましょう、というのが食品表示法と食品衛生法で定められています。

ですから、食品アレルギーを起こすこと人が多いとして指定されている特定原材料、俗にアレルゲン、又はアレルギー物質と呼ばれている農水産物の品目は、それが悪いものであるのではなく、個人によってはそれを摂取することを避けなければならない人がいる。その人の安全を確保するために明確に表示をしましょう、という意味で指定されている食材なのです。その食材にとくにアレルギー反応を起こさない人にとっては、それは栄養源であり、決して悪いものなんかではない。
そのことはここで確認させていただきたいと思います。

最近、グルテンフリーということばが頻繁に聞かれるようになり、グルテンが悪いものだと決めつけるような風潮があるように感じます。

グルテンというのは小麦に含まれるたんぱく質が調理、つまり水を加えて練って熟成させたり加熱ることにより弾力性を持つたんぱく質に変化したものです。麺類やパン類の弾力性やもっちり感などの食感を生み出す本体がグルテンという小麦たんぱく質の1つの形態です。小麦や小麦粉を調理すれば、その食品にはほとんどグルテンが形成されているといってよいでしょう。

グルテンも小麦タンパク質ですから、当然、小麦アレルギーを持つ人は食べてはいけないし、アレルギー以外にも何らかの体質的な原因や病気によりグルテンを食べない方がいいという人はいるでしょう。でもそれは、えびやかに、卵や牛乳などに対してもそういう人がいるのと同じではないかと思います。

思想、好み、価値観としてグルテンフリーという選択肢はあること自体は否定するつもりはありません。
しかし、パスタ、うどん、沖縄そば、パン、ドーナツ…小麦粉を使うほぼすべての食品にグルテンは含まれます。グルテンを悪者にすると食文化が破壊されます。
人類の長い歴史の中で不可欠な主食の栄養源として文明を支えてきた小麦タンパク質がグルテンですので、避けなければならない人がいると同時に、悪者扱いされるべきものでもないと、食品の専門家として私は考えいます。

支援事例

最新記事
カテゴリ別

Podcast(月・水)配信中!

沖縄食品開発の
5分間豆知識
ここ要チェックです!


有限会社開発屋でぃきたん
代表取締役 照屋隆司

農学修士(農芸化学専攻)
技術経営修士(MOT専門職)
NR・サプリメントアドバイザー
産業カウンセラー

面会・ミーティングは
【サテライトデスク】
沖縄県北中城村字ライカム1番地イオンモール5F
howliveイオンモール
沖縄ライカム店
TEL:098-939-9777
FAX:098-939-9792
相談・面会は完全予約制
 
郵便物・宅配便は
【本店所在地】
〒904-2161
沖縄県沖縄市
古謝3丁目18番27号

【休業日】
土日祝祭日、年末29日~正月3日旧盆、慰霊の日