2023/9/6
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フードファディズムー過度な依存と過度な嫌悪 |
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「フードファディズム」という言葉があります。
ファディズムとは一時的な流行を熱心に追いかけること、と訳されていますがこれが食べ物についておこることをフードファディズムと言います。 どういうことかというと「ある食べ物を食べると痩せる。」というようなことがテレビの健康情報番組などで取り上げられると、翌日から食品売り場の棚からその食べ物が消える。つまり異常に売れすぎて売り切れ状態が続いてしまう。 こういうような現象がフードファディズムと呼ばれまています。 フードファディズムがよろしいことではないとして批判される理由はいくつかあります。 一つには本当にその期待どおりの効果がその食品にあるのか?ということ。 食べ物は薬と違って、何らかの効果があったとしてもそれは非常にマイルドな効果で、食生活にそれをとりいれた日常を送っていれば、そうでない人よりは長期的結果としてそういう機能があらわれる、というくらいのものです。ですから、その食べ物に何らかの機能を過度に期待すると、期待ほどの効果は得られらなったり、そればかりを食べることで栄養に偏りが起きたり、あるいは病院で医師に相談すべき状態にあるのに、そうはせずに食べ物で治すなどという不適切な手段をとってしまい、かえって病気を進行させてしまうという危険さえ潜んでいます。 また、食品流通は幅広く多くの生活者に様々な食べ物をいきわたらせるという役割がありますが、本当にそれを必要としている人には届かずに、一時的な流行によってそれが妨げられてしまうという問題もあります。 一方、そういう流行的なケースとは反対に、特定の食品や成分を体に悪いものと決めつけ、それを避けるような食品選択を促してしまうこともフードファディズムと言えます。 単なる風評被害にとどまらず、専門家らしき人が言ったことを真に受けて、特定の食べ物が体を悪くするとか、食品添加物への過度な嫌悪、敵視もそうです。 こういうことが食品選択の幅を狭め、結果的に消費者に不利益を被らせていることもあるのです。 食品の表示や広告表現も場合寄ってはフードファディズムを起こしてしまう要因になりかねませんので注意が必要です。 食品の保健機能について誇大な表現をすることは健康増進法で禁止されていますし、食品添加物に間違った認識をさせてしまうような表現も食品表示法に基づいて規制されています。 支援事例 |
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