2023/9/20
|
|
賞味期限は開封前の品質を保証する期限 |
|
食品の期限表示として消費期限と賞味期限があります。 消費期限とは安全に食べられるのはいつまでか? 賞味期限とは美味しく食べられるのはいつまでか? をメーカーが消費者に対して保証する期限のことです。 消費期限とは生鮮食品やお弁当など傷みやすいもの、賞味期限とは何らかの加工を施すことにより品質の安定化が図られているものが対象となります。 ところで、この期限表示と同じ欄に、「開封後は冷蔵庫に入れてお早めにお召し上がりください」と記載されているケースをよく見ますが、実はこれは間違いです。 賞味期限や消費期限は、メーカーが購入者に対して保証するものであり、それは一括表示に記載された通りの保存方法が未開封の状態で正しく守られている場合の、開封前の商品の品質に対する保証だからです。 開封してしまったら、その後の保存状態は購入した人の状況によって様々です。仮に冷蔵庫に保管したとしても、冷蔵庫内の温度をメーカーが管理することはできません。ですから、開封後の品質保持期間をメーカーや保障することはできません。それなのに、賞味期限の欄に「開封後は云々」と記載してしまうと、開封後もその賞味期限が有効であると誤認されてしまう恐れがあります。 そういう理由から、「開封後は冷蔵庫に入れてお早めにお召し上がりください」という文言を、賞味期限や消費期限を表示する欄に記載してはいけないのです。 しかし、そうであっても「開封後は冷蔵庫に保管してお早めにお召し上がりください」という注意書きは常温流通の食品を販売する上では大変重要なことです。 なぜなら、商品にカビが生えていた、異物が入っていたというクレームの中には、開封後の保管状況が不適切であったために起きているケースが少なくないからです。これはメーカー側に非がなくてもトラブルのもとになってしまいますので、そういうことをできるだけ防止するために、「開封後は冷蔵庫に入れてお早めにお召し上がりください」ということを任意の情報提供として強調しておきたいのです。 一括表示にこのことを記載したい場合は、「使用上の注意」という項目を別に設けて、そこにこの文言を記載することができます。 しかし、多くの場合、枠外の目立つ場所に赤い大きな文字で表示することが多いです。一括表示はあまり注意してみない人もいるからです。どんな人が購入してもすぐに目につくような目立つ任意表示を行うことがよろしいのではないかと思います。 |
|